第1回「私自身がやりたいから、やっている」瀬谷ルミ子(JCCP事務局長)[前編]
自分自身に何ができるか
--英国留学でよかった点は?
S:英国留学で良かったのは、修士が1年で終わるという点ですね(笑)。私のように早く現場に行きたい、けれども専門的な研究もちょっとしたい…、そんな人にはオススメです(笑)
--どのような目的意識を持ってご自身の仕事の設計をしてきましたか?
S:私は「キャリア」というよりも「自分自身に何ができるか」ということに興味があったので、キャリア形成というのは後付けだった気がします。自分の中での一番の目標は、「現場に身ひとつで行っても役に立つ人間になりたい」ということでした。「役に立つ人間になりたい」というのは、裏を返せば、どこの組織、所属に関係なく、どんな環境でも役立つ人間になりたいということですね。なので、大学院である程度、方向性を定めたあとに考えたのは、「現場でニーズがあるけど、やり手が少ない仕事」を自分の専門にしたいと思いました。「紛争解決」と一言で言っても、現場では開発、教育、医療、といった分野があります。既に医者や教員などの専門家がいる分野もあります。私は、すでにやり手がいる分野で専門性を積むより、現場でこんなに問題があるのに、誰も専門家がいない、というところをやるほうが現地で求められるのではないかと考えていました。なので、紛争解決、平和構築という分野の中でも、さらに専門的な「武器と兵士」という問題にしぼって、そこからはどの機関に移ってもどこでも自分はその専門の仕事ができる、という状態にしたいなと、それを基軸に経験を積んできました。その結果というわけではないかもしれませんが、NGOで働いたり、国連や外務省、大使館での外交官という立場で働いたり、研究員をしたりできたのです。20代は特に現場で経験を積みたかったので、いろんな機関、いろんな国(アフガニスタン、シエラレオネ、コートジボワール、ルワンダなど)で、自分の専門分野に関わる仕事をできるだけ経験していきました。
--外交官や国連など、さまざまな職場で働いていますね。
S:最初はNGOや民間団体で働きました。最初からある程度安定したところに行けば、そこから現場に戻るのは大変になるのではないか、と考えていたからです。もちろん高校生の頃は国際公務員や国連の職員になりたいという憧れもありました。でも大学生のときに日本で援助機関でのインターンに関わるようになり、できるかぎり現場のニーズに応えられる場所で働きたい、と強く思うようになりました。そしてイギリス留学の終わりに、学生時代から関わっていたNGOから「ルワンダに行かないか?」とオファーをもらい、ルワンダでの勤務後しばらくして、今度はシエラレオネの国連からオファーをもらいました。
--シエラレオネの国連からのオファーはどういった流れで?
S:ルワンダにいる間に自費でシエラレオネに行き、武器と兵士に関することを調査し、日本の研究雑誌に調査レポートを載せていただいたんです。それを見た人が声をかけてくれました。結構私のやっていたことを見てくれた人が後で声をかけてくれて、次(のキャリア)につながっていくことが多いですね。シエラレオネに行った後も、たまたま休暇で日本に帰国中、武器に関する国際会議に飛び込みで参加させていただき、そこで出会った外務省の方が私のことを知り、アフガニスタンでのプロジェクトに誘っていただきました。振り返れば、その職場職場でやってきたことや個人的に行っていた調査などが数年先の機会につながっていますね。
中編につづく
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NPO法人 日本紛争予防センター(JCCP)




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