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第5回「OKなデザイナー」ベン・ウィルソン(プロダクトデザイナー)[後編]

世界に同じ場所は一つとしてない

--イギリスの教育システムについてどう思いますか?

B:イギリスは教育環境がとてもクリエイティブ。常に既成概念を超えるものを奨励する教育システムなんだと思うよ。僕自身、さまざまな仕事にタッチできるのも、イギリスの教育システムのおかげだろうね。イギリスの教育はとにかくクリエイティビティが大切にされている。自分で考える思考力を在学中に養うからこそ、後年幅広い分野の活動ができるんだよ。
教育なしではデザインは成り立たないと僕は思う。デザイナーになるにも最低限の学問が必要だからね。16歳で高校を出てすぐにデザインの仕事を始められるかというと、それは難しい。僕が教育を受けていなければ今もこうしてデザインについての話もしていないだろうからね。「自分が何をしたいか?」、そう考える時間を与えてくれるという意味でも学校は素晴らしいと思うよ。


Tilting Trike
RCAでのプロジェクトを発端に制作され、賞に輝いた「ティルティング・トライク」。その後もHelen Hamlin Research Centre で開発が続けられた


--デザイン留学といえば英国と言われていますね。

B:英国民全体が常に前進的・革新的でいようとする意識があるからだろうね。英国は小さな島国だけど、音楽シーンやアートシーンなど、幅広い分野で活躍している人がたくさんいるよね。歴史的に見ても、パンク精神が生まれたように、うまくいってもいかなくても気にせずに新しいことをやってみようとする精神が根付いているんだろうね。

--留学についてどう思いますか?

B:世界に同じ場所は一つとしてないからね。世界に飛び出て、人と違うことに挑戦することは素晴らしいよ。僕は英国でゲスト講師として、RCAやキングストン大学で教えたりするけど、「雨が多い」点を除けば英国は学ぶには最適の環境だよ。キャンパスの外で学べることの多さ、素晴らしさもある。家や寮で勉強するよりも、いろんな人と出会うことが大事だからね。
僕はクラブに行きDJと仲良くなったり、公園でスケートボーダーやBMXのライダーたちと出会い、カルチャー的な刺激を受けるだけでなく、それが仕事につながったりもしている。10年先に再会したらどこかの企業のトップになっているってことは充分にあり得るものね(笑)。人のつながりは大事にしたいよ。もちろんこれを読んでくれているあなたともね(笑)。

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ベン・ウィルソン Ben Wilson
1976年生まれ。
英国マンチェスター・メトロポリタン大学を卒業後、
ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)でデザイン・プロダクトの修士号を取得。
在学中から、映画監督マイク・フィギスとのカメラマウント装置「フィグリグ」の共同開発や、
足に障がいを持つ子どもでも操作可能な自転車「ティルティング・トライク」
をデザインするなど、その活動は大きな注目を集める。
卒業後も、Stussyやイーリー・キシモトなど様々な企業やデザイナーとコラボレーションした
「チェアフィックス」や、再生ゴムを利用したナイキショップのインスタレーションなど、
幅広いプロジェクトに取り組み話題を呼んでいる。2007年にはロンドンのデザイン・
ミュージアムで自転車をテーマにした展覧会を企画、
2008年には21_21デザインサイトの展覧会「XXIc.- 21世紀人」のため
「モノサイクル」を製作するなど、多様な活動を展開している。

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