【妹沢奈美のwe love UK music】ガールズ・ブームは止まらない? 英国・女性シンガー事情 その1
今となっては笑い話のようですが、80、90年代と英国は、なかなか女性のソロ・シンガーが花開かない国でもありました。かつてテイク・ザットを解散したばかりのゲイリー・バーロウに取材したとき、そんな状況だからこそあえて、女性ソロをプロデュースしてみたいという話をしてくれたほどです。
ところが、00年代はブームと呼びたいくらい、実力ある女性たちが堰を切ったように次々と登場しました。エイミー・ワインハウス、コリーヌ・ベイリー・レイ、KTタンストール、リリー・アレン、ケイト・ナッシュ、アデル、ダフィー、レオナ・ルイス......。パッと有名なところだけ挙げても、これだけ浮かぶほど。しかも、それぞれの女性たちが音楽性も違えばキャラクターも異なるため、ブームとしてくくるのは申し訳なく感じるくらい、個性的で才能豊かなのです。
さて、ではこのガールズ・ブームに火を付けた存在は......? 私なりの分析ですが、それはDIDO(写真)だったと思っています。
そのきっかけを作ったのは、当時のアメリカの大人気ラッパー、エミネムでした。彼女が'99年にリリースしていたデビュー作『ノー・エンジェル』に収録されていた"Thank You"をエミネムが気に入り、自身の曲にサンプリングして使用。DIDO自身もエミネムのその"Stan"という曲のビデオに登場したのがきっかけで、一気に注目を集めたのです。
そこから先は、もともと実力のあるDIDOですから評価はうなぎのぼり。03年に発表した2ndアルバムはその年に全世界で4番目に売れた作品となり、08年の3rd『セーフ・トリップ・ホーム』も各国でゴールド・アルバムを記録。DIDOこそ、英国女子シンガー・ソングライター人気を引っ張り続ける存在と言えるかも。
ちなみにDIDOは、映画『セックス・アンド・ザ・シティ2』(ソニー)のサウンドトラックに最新曲を提供しています。レオナ・ルイスも米女優のジェニファー・ハドソンとデュエットしていたりと、これ、英女性シンガーの歌声も堪能できるサントラなんですよ。


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