【妹沢奈美のwe love UK music】映像と音楽の切っても切れない深い関係 その1
音楽、といえば聴覚を刺激する表現のこと。とはいえ、視覚を刺激する「映像」とも切っても切れない関係にあります。そのあたり、今回は英国の音楽を題材にひも解いてみます。
音楽と映像の密接なかかわり、と聞いてまず皆さんの心に浮かぶのはプロモーション・ビデオ(以下PV)ではないでしょうか。その先駆けはビートルズやアメリカのボブ・ディランなど、70年代以前に映像を作った面々だと言われています。英国では人気音楽番組のTop Of The PopsなどテレビでもPVが流れるようになり、そして80年の米MTV開局で、PVが音楽を広く伝えるツールとして世界的に知られるようになりました。
それを機にアメリカで起こった英国音楽ブームもあります。第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれる、80年代前半にニューウェイヴ・バンドたちがアメリカで爆発的に成功した現象が、それ。カルチャー・クラブ、デュラン・デュラン、ワム!をはじめ、PVであでやかで美しい姿を見せつつ音楽を紹介した英国バンドたちが、のきなみ大ヒットとなりました。
近年では、インターネットの発達によりバンドの公式サイトやYou Tubeなどで、気軽にPVを楽しめるようになりました。そんな状況を楽しんでいるな、と最近感じたのがアッシュ。彼らは昨年秋から二週間に一度、合計26曲のシングルをダウンロード・リリースしはじめましたが(その前半曲たちをまとめたアルバム『A-Z Vol.1』(よしもとR&C)も発表されました)、その全曲に、彼らはPVをつけているんですよ!
ちなみに、AからZまでナンバリングした26曲のうち、「Q」にあたる"BINARY"は今回のトピック的に特に注目かも。なにしろこの曲には通常のPVのほかに、わざわざ『SLASHED』という別タイトルをつけた短編映画仕立てのビデオも存在するのです。こちらは02年のアッシュのツアーで録画されたものを素材にしており、なんとコールドプレイのクリス・マーティンやジョニー・バックランドも出演しているのです。
現在公開されているのはそのパート1で、追って、完全版が作られるのだそう。一つの音楽が映像まで様々に展開させているこの試み、とても興味深いです。


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