妹沢奈美の we love UK music

【妹沢奈美のwe love UK music】マーキュリー賞のノミネートが発表。今年の顔ぶれは...? その1

去る7月、英国で今年のマーキュリー賞のノミネートが発表され話題になりました。英国の二大音楽賞といえば、アメリカでいうグラミー賞のような役割を持つブリット・アワードと、このマーキュリー賞。ブリット・アワードとは異なり、売上や人気よりも「革新性と創造性」を重視するのがマーキュリー賞の特徴です。

WIGCD162J_600.jpg 1992年にスタートしたこの賞は、ふりかえって受賞者の顔ぶれをみていくと、その時の音楽シーンのムードが如実に反映されていることがよくわかります。

 たとえば92年はプライマル・スクリームの『スクリー・マデリカ』。93年にはブリットポップ勃興期を象徴するかのようにスウェードの『スウェード』が受賞していますが、実際にブリットポップがよりマスな人気を得た「黄金期」といわれる94、95年にはそれぞれMピープルとポーティスヘッドが受賞するなど、メインストリームとは一線を画したオルタナティヴなチョイスになっていました。

 必ずしも新人が選ばれるわけではなく、たとえばロック系の新人が枯渇していた2001年には、PJハーヴェイが受賞。一方で、この1枚で英国の音楽シーンのムードを変えたと言われる06年のアークティック・モンキーズ『ホワットエヴァー・ピープル・セイ・アイ・アム、ザッツ・ホワット・アイム・ノット』(写真。ホステスより発売)は、売上が100万枚を超えていますが、そこにむしろこだわらずきちんと受賞していました。

 ロックやポップスに限らず、ダンス・ミュージックやガラージ(英国のヒップホップ)、フォークやジャズからもノミネーションに名前があがるのも特徴です。ゆえに、受賞すれば「実力」の太鼓判が押されるのも、この賞の大きな特徴。マーキュリー賞にならって、01年にはアメリカでもShortlist Music Prizeという賞が生まれたほど、世界中から注目されているんですよ。

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