妹沢奈美の we love UK music

【妹沢奈美のwe love UK music】マーキュリー賞のノミネートが発表。今年の顔ぶれは...? その2

売上などよりも「革新性と創造性」が重視される、マーキュリー賞。毎年、9月に授賞式が行われます。今年の7月には、12組のノミネーションが発表されました。

Thexx_xx_Cover_600.jpg その顔ぶれ、これまでとは少々異なる雰囲気。たとえば05年にはコールドプレイ『X&Y』がノミネートされたりと、世界的に成功したバンドの名前が入ることはこれまでもありました。08年にはエルボーが、結成18年目にして4枚目のフル・アルバムで受賞。つまり新人に限った賞ではありません。が、今回はポール・ウェラーという大ベテランやアメリカでも既に成功しグラミーにもノミネートされたコリーヌ・ベイリー・レイをはじめ、それなりにビッグ・ネームが多いのが印象的です。

 また、アルバムを出せばノミネートされるディジー・ラスカル(03年には既にデビュー作で受賞しています)、それぞれいいセカンド・アルバムを作りましたが特に新しいシーンを代表する存在とはまだ言えないフォールズやワイルド・ビースツの名も。若き女性シンガー・ソングライターであるローラ・マーリングもいますが、ロンドンのフォーク・シーンが「新しい」ものだったのは1,2年前の話で、遅きに失した感も。

 ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージックに通ったジャズマンによるキット・ダウンズ・トリオなど、新しい名前もないわけではありませんし、もしかしたらロック/ポップ/ダンスなどのポピュラー分野からではなく、そういたジャンルから今年は選ばれるかも。と、思いつつ気になるのがThe XX(写真。ホステスより発売)。

 この3人組みが昨年発売したデビュー作『xx』は、若さにもリンクした荒削りなパッションが時にダークに、時にポップに繰り出されるポスト・パンク・サウンドが満載です。未来への希望を託すかのように受賞者を選ぶこともあるマーキュリー賞だからこそ、この若き才能が受賞する可能性が高いのではとも思ったり。

 今、何が英国のクリエイティヴなシーンで起こっているかを掴むのにもぴったりの役割を持つ、マーキュリー賞。これを機に、ぜひ毎年チェックしてみてくださいね。

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