【妹沢奈美のwe love UK music】フジ・ロックで確認した今年のUKミュージシャンたち その1
去る7月30日から三日間にわたって、今年も新潟県の苗場でフジ・ロック・フェスティヴァルが行われました。29日の前夜祭を含めると、今年の来場者数はのべ125,000人とのこと! 3日間にわたって雨の多い天候でしたが、誰もあわてることなく持参した雨具や長靴を身につけて、それぞれが自分なりにフェスを楽しんでいる様子は、見ていて素敵だなと感心しました。
さて、今年の英国ミュージシャン勢。最も話題になっていたのは、トム・ヨーク率いるスーパー・バンドのアトモス・フォー・ピース(写真)だったのではないでしょうか。レディオヘッドのトム・ヨークによるソロ・アルバム『ジ・イレイザー』を演奏するために生まれたこのバンド、メンバーはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーや、レディオヘッドのみならずポール・マッカートニーらも手掛けるスーパー・プロデューサーのナイジェル・ゴドリッチをはじめとする、そうそうたる面々です。
アメリカで行われたコーチェラ・フェスティヴァルで1回だけ演奏したという、出来たてホヤホヤのバンドだったからでしょう。アトモス・フォー・ピースは早めに来日し、聞けばなんと矢沢永吉さんのスタジオでリハーサルに励んでいたそうです。
実際のステージはというと、トリコロールの細めのヘア・バンドにダボッとしたタンクトップ、というトムのリラックスした服装にまず最初は驚きました。ライヴ自体は、なるほどトム・ヨークの脳内を打ち込んだ『ジ・イレイザー』というアルバムに、生音という肉体性を組み合わせると、あえて音を調和させない違和感や不協和音が生みだす「裂け目」のようなものが、まるで脳波のギザギザした揺らぎを体現するようでもありました。ギターにピアノ、そして歌と大忙しのトム・ヨークは、時には日本語で茶目っ気たっぷりにあいさつしたりと、レディオヘッドのライヴとも違う自然な雰囲気も印象に残りました。
他にも、初日のグリーン・ステージでトリを飾ったミューズは、目にも鮮やかな映像や光線を使ったステージ・セットが、さすがの演奏力と見事に調和していました。ベテランのクーラ・シェイカーは、新曲のみならずデビュー当時のインド音楽とハード・ロックのリフを組み合わせた名曲群までも惜しげもなく演奏。まさにベストヒットな内容でしたよ。


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